僕が選ぶ2023年ベストアルバムTOP30

ギリギリ間に合いました。やなぎぃです。

今日の昼にブックオフで、外国人の方とお話をしながらCDとレコードを漁っていました。Eminemの"Stan"のレコードを見つけてじっくり見てたら「それいいですよね、classic」って話しかけられ、とても嬉しかったです。彼はシティポップのレコードとNujabesの作品を探していたのですが、いいものは見つかったのでしょうか。

 

さて、今回は僕が聴いた今年のアルバムベスト30を紹介したいと思います。今回は個性的なアルバムがたくさんあったので、できれば聴いた作品を全部紹介したいのですが、そこはグッとこらえて30作品をカウントダウン方式で紹介します。

僕の独断と偏見にまみれたランキングなので、参考程度にご覧下さい。

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(聴いたアルバム、EP、ミックステープです。聴いた順に並べてます)

 

 

では先にHonorable Mentionから紹介します。

 

Danny Brown "Quaranta"

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惜しくも31位でギリギリ入らなかったアルバムです(余計なことを言うな)。ラッパーのDanny Brownの先月リリースされたアルバムです。今作は非常にパーソナルな内容で、Danny Brownが精神的に不安定な時期があったを中心にアルバムが展開されていきます。Danny Brownと言えば一度聴いたら忘れられないあの独特な声ですが、今作では非常に控えめにラップしており、優しく苦しく語りかけます。今作はアブストラクトヒップホップの雰囲気が漂っており、もしそのジャンルが好きな方は是非聴いてみては?

 

花譜 "狂想"

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神椿レコードのバーチャルシンガー、花譜の3枚目のアルバムです。カンザキイオリ氏の描くボカロチックな世界と花譜さんの可愛らしい歌声が凝縮された最高傑作です。オリジナル楽曲「過去を喰らう」の続編にあたるストーリーが語られたり、社会風刺的楽曲も入っていたりと、新たな成長を感じるアルバムです。このアルバムの順位は実はそんなに高くないのですが、どうしても紹介したい理由があって書いています。収録曲「あるふぁYOU」が今まで聴いた花譜さんの曲の中で一番かっこよく、そして幻想的で、非常に衝撃的だったからです。興味があれば是非聴いてみてください。とっっっても素敵な曲です。どうでもいいけど花譜ちゃんかわいい。

 

それでは、気を取り直しまして、ランキングの方に入っていきます。時間もないのでサクッと紹介していきます。まずは30位からです。

 

30. The Lemon Twigs "Everything Harmony"

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インディーロックバンドのThe Lemon Twigsのソフトロックアルバムです。オーケストラと素敵な歌声が綺麗に混ざり合い、終始優しく、そして情熱的に音を響かせています。全体的に神秘的で、しっとりする曲が多く、インディーポップな感じがするのがこれまたいいですね。このアルバムは、とにかく実際に聴いた方がいいです。その方が早い気がします。非常におすすめです。

 

29. Jeromes Dream "The Gray In Between"

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アメリカのノイズロックバンド、Jeromes Dreamのなんとも強烈なアルバムです。耳をつんざくエレキギターの演奏と、脳まで強烈に刺激するスクリームが、全身を奮い立たせます。私はノイズというジャンルがすごく好きなので、このアルバムは僕にぶっ刺さりました。全体で30分もなく非常に短いアルバムですが、満足すること間違いナシでしょう。

 

28. grouptherapy. "I Was Mature for My Age, But I Was Still a Child"

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アメリカのラップグループ、grouptherapy.がパワーアップしてカムバックしました。ダンサブルなビートに乗せてノリノリのラップと歌声が繰り広げられます。ヒップホップの要素もあればR&Bの要素もあり、"FUNKFEST."のようなアグレッシブな曲もあれば、"Peak"のようなバラード風な曲もあり、バラエティ豊かな曲たちを楽しむことが出来ます。どの曲も中毒性があり、ハマる人は絶対ハマると思います。

 

27. The Go! Team "Get Up Sequences Part Two"

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僕の好みにどストライクなアルバムです。イギリスのバンド、The Go! Teamのこのアルバムは様々なジャンルの曲がポップに明るく演奏されています。どの曲もとてもダンサブルで、楽しくノリに乗れるものばかりです。個人的には"Getting To Know (All the Ways We're Wrong for Each Other)"が好きですね。サビや間奏に入ってくるフルートの音が心地よく、比較的静かですが、それでも盛り上がれる、素敵なアルバムです。

 

26. Mr.Children "miss you"

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このアルバムは入れなければまずいですよね。こんなにも衝撃的な作品がまだ聴けるなんて、僕は幸せ者かもしれません。言わずと知れた日本のロックバンド、Mr.Childrenの挑戦的なアルバムです。全体的に暗い雰囲気が漂っており、Mr.Childrenというよりかは桜井さんメインのアルバムになっています。初めて聴いた時は、僕はミスチルを聴いているのだろうか?と思ってしまうほど、ミスチルらしさがないアルバムとなっていて、この衝撃は「深海」を聴いた時と近いものを感じました。ポップとロックはもちろん、ラップにも挑戦している今作は、新たなMr.Childrenの幕開けを示唆しているのでしょう。

 

25. Panchiko "Failed at Math(s)"

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幻のデビュー作品から約20年、再結成を果たしたイギリスのロックバンド、Panchikoの正真正銘のファーストアルバムです。エレクトロニックな演奏がサイケデリックに響き、とてもドリーミーな世界観が広がっています。初めてこのアルバムを聴いた時、あまりにもかっこよすぎて「これはベスト10に入る」と確信していたのですが、まさか他にもいい作品が出てくるとは...。

 

24. Olivia Rodrigo "GUTS"

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シンガーソングライターのOlivia Rodrigoのセカンドアルバムです。グラミー賞最優秀新人賞を受賞したOliviaは、さらにパワーアップしてカムバックを果たしました。今作はロック風な曲が多く、とてもアグレッシブです。先行シングル"vampire"では圧倒的な歌唱力を見せつけ、"get him back!"や"bad idea right?"では強烈なエレキギターの演奏が繰り広げられます。最も注目すべきポップアルバムの一枚でしょう。

 

23. Squid "O Monolith"

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イギリスのロックバンド、Squidの驚異のセカンドアルバム。力強い演奏と、緩急の差の激しい曲の進行など、全てにおいて衝撃的な作品です。ロックに激しく演奏するだけでなく、サックスや不安感を煽るキーボードの演奏などが何層にも重なり、アルバムの壮大さを表しています。先行シングル"Swing (In A Dream)"は個人的に今年のベストに入る程の名曲で、後半にかけての緊迫した演奏は鳥肌が立ちます。今年の最重要アーティストの一組と言っても過言ではないでしょう。

 

22. billy woods & Kenny Segal "Maps"

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順位が低いって言った奴、怒らないから名乗り出てきなさい。という冗談はさておき。アブストラクトヒップホップの重鎮ラッパーbilly woodsと、プロデューサーのKenny Segalによるコラボアルバムです。Kenny Segalのオシャレなビートに、billy woodsのソウルフルなラップが融合し、これぞ「アブストラクトヒップホップ」と言えるアルバムとなっています。今作は様々なアーティストとコラボしており、初心者にも聴きやすいのではないかと思っています。

 

21. Lil Yachty "Let's Start Here."

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billy woodsよりも高いのはおかしいって言ったやつ、お兄さん怒らないから名乗り出なさい。という茶番はここまでにしておいて。ラッパーのLil Yachtyの衝撃作です。僕は"Lil Boat"シリーズなどのミックステープでLil Yachtyを知ったので、ラッパーとしての印象が非常に強く、まさかサイケロックアルバムをリリースするとは思いませんでした。しかもこれがまたカッコよすぎるんです。特に"the ride-"ではエレキギターの音が神秘的に響き渡っており、ラッパーが作った曲とは思わせないほどの良さがあります。僕はこのアルバムを聴いて、さらにLil Yachtyが好きになりました。

 

20. Oneohtrix Point Never "Again"

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アメリカのエレクトロニックアーティスト、Oneohtrix Point Neverの電子音響くアルバムです。僕はOneohtrix Point Neverの曲は聴いたことはあったのですが、アルバムをまともに聴くのは今回が初めてで、ワクワクしながら聴いたのを覚えています。まさに期待通りなアルバムでした。たくさんのエレクトロな音が同時に乱暴なまでに襲いかかってきて、アルバムの壮大さを強烈に感じました。あまり上手く表現できませんね。是非あなたの耳で確かめてみてください。

 

19. Wilco "Cousin"

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インディーロックと言えばこのバンド。絶対的な人気を誇るWilcoがこの度新作をリリースをしました。今作ではインディーロック、オルタナロックを強く感じる作品ではあるのですが、少し"A Ghost Is Born"を連想させられる実験的なサウンドも垣間見えました。初めてこのアルバムを聴いた時は電車の中だったので、上手く音が聞こえず「なんだこれ?」っと思って評価を低くしていたのですが、改めて家に帰って聴いてみたら音の多さや演奏の綺麗さにびっくりしてしまいました。やっぱり僕はWilcoが好きです。

 

18. George Clanton "Ooh Rap I Ya"

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アメリカのミュージシャン、George Clantonの中毒性あるアルバムです。シティポップ...ではありませんが、非常にドリーミーでグルーヴィーな雰囲気が漂っています。個人的には先行シングル"I Been Young"がすごく好きで、聴いていると気持ちよくチルアウトできるので、定期的に聴きたくなってしまいます。まさに「チルウェーブ」!!

 

17. slowthai "UGLY"

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イギリスのラッパー、slowthaiの強烈なナンバーです。あのニュース以来、slowthaiをベストアルバムに挙げる人を見かけないので、代わりに僕が書き残します。今作はフィーチャーアーティストがいなく、全体的にロックでアグレッシブにビートが鳴り響いており、かなり挑戦的な内容です。slowthaiと言えば、強烈なライムと怒りが籠っているボイスですよね(...ね?)。今作ではそれを思う存分に楽しむことができるので、おそらく過去最高のアルバムなのではないでしょうか。現在、性的暴行容疑で起訴されており、それ以来何もコメントを発していないslowthai。今後の動きに目が離せません。

 

16. Armand Hammer "We Buy Diabetic Test Strips"

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billy woodsとELUCIDからなるアブストラクトヒップホップデュオ、Armand Hammerの渾身のアルバムが誕生しました。今作はなんと言ってもビートが強烈すぎます。プロデューサーにJPEGMAFIA、DJ Haram、Run The JewelsnのEl-Pなど豪華アーティストを迎えて完成したこのアルバムはとてもパワフルな勢いを持っています。そして、これらのビートをいとも簡単に自分のものにしてしまうArmand Hammerの強烈なラップは聴かずにはいられません。

 

15. James Blake "Playing Robots Into Heaven"

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あなたも私も皆さん大好き、James Blakeが生まれ変わってカムバックしました。James Blakeと言えば、アンビエントなビートを作ったり、ローファイチックな曲が多かったりと、ふんわりとする曲が多いイメージでした。ですが今作はエッジーなエレクトロビートを使っており、初めて聴いた時は言葉を失ってしまいました。"Loading"はまだローファイっぽさがありますが、"Big Hammer"や"Tell Me"では細かな電子音が羅列されており、それらが全身を響き渡らせていきます。毎回James Blakeを聴く時「過去最高傑作だな!」って思ってしまうのですが、毎回そんなこと思ってたら結局何が最高傑作かわかんなくなりました。はい。

 

14. Caroline Polachek "Desire, I Want To Turn Into You"

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インディーポップシンガーのCaroline Polachekのセカンドアルバムです。前作"Pang"から約4年ぶりのアルバムで、より明るく、よりポップになっており、非常にかっこいいアルバムとなっています。"Welcome To My Island"で幕を開け、"Billions"でしっとりと悲しくアルバムが終わる流れになっており、聴き終わった後は余韻が残ること間違いなしです。メジャーな曲じゃ物足りない!!って方、是非聴いてみては?

 

13. Frost Children "SPEED RUN"

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音楽グループのFrost Childrenによる楽しいハイパーポップアルバムです。アルバムの最初から最後まで勢いのあるビートが炸裂し、聴いていて非常に楽しいです。このアルバムの面白いところは、ゲームのサンプリングがあることです。"FLATLINE"ではヨッシーの鳴き声がそのままサンプリングされており、"SERPENT"では大乱闘スマッシュブラザーズのテーマソングのメロディーに合わせて歌唱されています。バラエティに富んだハイパーポップのアルバムを、是非お楽しみください。

 

12. Jessie Ware "That! Feels Good!"

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ダンスポップの女王、Jessie Wareによるダンサブルなナンバーです。どの曲も捨てがたい名盤で、改めてJessie Wareの凄さを感じました。特に好きな曲は"Pearls"と"Freak Me Now"ですね。この曲は言葉で表さなくても、聴けば絶対に良さがわかると思います!(説明放棄)(やっつけ仕事)(本当にいいアルバムって思ってんのかよ)

 

11. underscores "Wallsocket"

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プロデューサーコレクティブ、six impalaのメンバーとして活躍しているunderscoresのソロアルバムです。エレクトロなノイズを強烈に響かせたビートに誰もが驚くこと間違いなしです。曲の歌詞も同じ言葉を何度もリズムよく繰り返されたり、メロディーに癖があったりと、耳に残るようなフレーズがたくさんあります。ハイパーポップと呼んでも間違いではないですが、underscoresのこのアルバムはハイパーポップでは表せられない独創性があると僕は考えています。それだけこのアルバムはパワフルで楽しくて、とにかく驚きの瞬間ばかりです。こんなにも面白いアルバム、なかなか出くわすことはないでしょう。

 

10. Sampha "Lahai"

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Sampha Is Back!!!!!!! 前作から約6年もの間オリジナルソングを一切リリースすることのなかったR&BシンガーのSamphaが、遂に世界を震わせる作品をリリースしました。今作では、前作で示した持ち味を活かし、ジャズやソウル、エレクトロなどの様々なジャンルを上手く融合した楽曲が繰り広げられていきます。今作は"Spirit 2.0"のようにキックの音が非常に多く、エレクトロなサウンドが全面的に出ています。その音はとても繊細で、神秘的ですが、楽曲は非常に大胆で壮大に演奏されており、これを上手く言語化することはほぼ不可能かもしれません。その何層にも重ねられ、緻密に作られた楽曲は、優しく、そして乱暴に、リスナーの心や脳を刺激し、新たな世界へといざなう道標となるのでしょう。

 

9. Sufjan Stevens "Javelin"

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シンガーソングライターのSufjan Stevensによる感動的な名盤です。先立たれたパートナーに捧げられたこの作品は、今までの集大成ともいえる壮大さが全身で感じられるアルバムとなっています。収録されている曲のほぼ全てを自室にこもり一人で作られたこのアルバムは、フォークやエレクトロなどのジャンルが織り交ざっており、サビではSufjan Stevensに続いてコーラス隊による合唱も印象的です。どの曲も素敵で、それなのに哀しく虚しい気持ちになるこのアルバムは、彼の最高傑作と呼ぶのに相応しいでしょう。

 

8. world's end girlfriend "Resistance & The Blessing"

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前田勝彦氏のソロユニットであるworld's end girlfriendによる7年振りのアルバムです。ブレイクコアやポストロック、エレクトロニックなどの様々なジャンルが融合した曲がギッシリ詰まった、2時間半に渡る大作です。前半ではエレクトロニックなノイズとミックス、ジャブを打つようなキックの音が繰り広げられ、後半ではエレキギターの豪快な音が響くポストロックの曲が集中しています。ところどころsamayuzame氏による語りを入れつつ、"Resistance & The Blessing"の世界へと導いていきます。僕はRateYourMusicにて、以下のようにレビューをしました。

 

まるで、一つの映画を、一人の人生を、一つの祭りを、一つの世界の始まりから終わりを体験したようなアルバムであった。(中略) 非常に不思議な世界観で、破壊的な衝動の中に静まり返った心のような、狂気の中にある小さな神秘のような、幻想的な演奏が繰り広げられた。一つのアルバムが時代を超え、国境を越え、抵抗と祝福の物語をゆっくりと、情熱的に語りかける。

 

7. Asia Menor "Enola Gay"

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チリのポストロックバンド、Asia Menorのファーストアルバムです。パワフルなポストロックの曲が多数収録されており、キャッチーなコードやメロディー、そこに乗せられるスペイン語のボーカルが聴いていてとても心地よいです。僕は、正直チリの音楽がどういうものなのか全く想像がつかないため、聴く前はどんなバンドなのか全く検討が付きませんでした。実際に聴いてみて、度肝を抜かれました。こんなにも希望に満ちた、エネルギッシュなアルバムはなかなかありません。ぜひぜひこのアルバムを聴いてみてください。絶対に気に入ります。

 

6. betcover! "馬"

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柳瀬二郎氏を筆頭に活動する日本のロックバンド、betcover!のアルバムです。8曲のみ収録されたこのアルバムは、約30分近くしかなくとても短いのにとても充実しており、これをベストアルバムに選ぶ人もいるのではないでしょうか。"バーチャルセックス"で強烈なスタートを切り、"フラメンコ"でロックなバラードが繰り広げられ、"炎天の日"で盛り上がりは最骨頂を迎え、"メキシカンパパ"で静かに幕を閉じます。この短い物語を勢いよく駆け抜けていった先には、果たして何が待っているのでしょうか。それはこのアルバムを聴いた者しか知り得ないと思います。

 

5. Black Country, New Road "Live At Bush Hall"

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イギリスのロックバンド、Black Country, New Roadの新曲だけを収録したライブアルバムです。ボーカルも務め、バンドの中心だったIsaac Woodが脱退を発表し、新たな体制となったBlack Country, New Roadは、新曲のみでセットリストを構成し、世界各地でライブ活動を行いました(そのうちの一つがフジロック)。これらの演奏、基、曲は世界で高評価を受け、このアルバムではその中でもロンドンで行われた演奏を収録しています。公式未発表楽曲であったのですが、やはりBlack Country, New Roadの曲は素晴らしく、僕は聴いていて心から感動しました。歴史に残る名盤とも呼べるBC,NRの新アルバム、是非聴いてください。

 

4. JPEGMAFIA & Danny Brown "SCARING THE HOES"

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誰がこのコラボを予想したでしょうか。元軍隊という経歴を持つビートの魔術師JPEGMAFIAとデトロイト出身の奇才ラッパーDanny Brownによる、最高で最恐のアルバムです。大胆且つ巧みにサンプリングされたビートに乗せて力強いラップが炸裂しており、まさにこのアルバムは"HOES"を怖がらせる面白い作品でしょう。中でも"Garbage Pale Kids"では北海道のCMの音声とファミコンのゲームの音声をサンプリングしており、どっから見つけてきたんだよ!と思わず突っ込んでしまうような曲に仕上がっています。個人的に好きな曲は"Steppa Pig"で、*NSYNCの曲がかすかにサンプリングされているビートが激しく耳を刺激し、そのビートをものにしているJPEGMAFIAとDanny Brownの強烈なラップが鳥肌を立たせます。こんなにもやりたい放題している音楽は初めて聴きました。これだからJPEGMAFIAはやめられないんじゃ!!!

 

3. KNOWER "Knower Forever"

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シンガーソングライターのGenevieve ArtadiとマルチプレイヤーのLouis Coleによるユニット、KNOWERのアルバム。Louis Coleの常識にはまらない音楽センスと、Genevieve Artadiの透き通る歌声が綺麗に合わさり、独特の世界観を生み出しています。今作では様々なアーティストがゲスト参加しており、サックスやベース、キーボード、コーラス隊などの演奏がフリーダムに奏でられ、終始KNOWERワールドが繰り広げられています。"The Abyss"や"Do You Like Hot Chords?"などのLouis Cole節が炸裂している曲もあれば、"Crash The Car"などのスローバラードな曲も収録されています。僕はこのアルバムを聴いた時とても感動してしまい、思わず泣いてしまいました。こんなにも素敵で溢れているアルバム、今聴かずしていつ聴くんですか!?

 

2. McKinley Dixon "Beloved! Paradise! Jazz!?"

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アンダーグラウンドラッパーのMcKinley Dixonによる今年最高のラップアルバムです。30分にも満たない短いアルバムですが、最後まで楽しく聴ける美しいジャズラップソングが収録されています。"Tyler, Forever"ではコンシャスなラップが繰り広げられ、非常に切迫した世界観を味わえます。"Dedicated to Tar Feather"ではオーケストラも混じえたビートでシリアスなラップが炸裂します。そして最後に収録されているタイトル曲"Beloved! Paradise! Jazz!?"ではスロウなテンポで流れるジャジーなビートにコーラスを交えて美しく幕を閉じます。もう一度言います。このアルバムは30分もありません。なのにすごく濃密で、充実しているアルバムです。ぜひぜひ聴いてください。

 

1. Parannoul "After The Magic"

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記念すべき1位は、韓国出身のアーティスト、Parannoulによるシューゲイズアルバムです。このアルバムではジャケットにも表されている「一面銀世界」のような世界を音で楽しむことができます。僕自身、韓国の音楽といえばK-POPというイメージがとても強く、他のジャンルの曲を制作しているアーティストがいること、しかもシューゲイズなんて僕には衝撃しかありませんでした。僕はこのアルバムを最後まで聴いた時、これまでにない幸福感に包まれました。どの曲も素晴らしいのですが、特に"Parade"がオススメです。激しいノイズに綺麗な音色を響かせるバイオリンが時折顔をのぞかせ、終始神秘的な世界を味わうことができます。その世界は、最後にたくさんの花火の音と人々の歓声に埋もれ、静かに姿を消していきます。こんなにも壮大でかっこいい曲のほとんどをDAWソフトで完成させてしまっているから驚きです。僕にとって"After The Magic"は今年一番のアルバムです。

 

いかがだったでしょうか?サクッと紹介する予定が非常に長くなってしまい、僕自身もとても驚いています。それだけこれらのアルバムには思い入れが強いため、もし聴いていないアルバムがあれば是非聴いてみてください。

今年も好きなアルバムが沢山あるため、全部紹介できないのが非常に悔やまれますが、またの機会に紹介出来たらいいなと思います。

それではまた来年お会いしましょう。来年もいい作品に恵まれますように。

 

 

そういえばworld's end girlfriendさんの"Resistance & The Blessing"のアルバムをCDで買いまして。。。

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いやでっか!!!!!

 

まさかレコードサイズで来るなんて思わなかったです。今年一の買い物をしました...(笑)。


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僕の名前も乗ってます。一生の宝物ができました。

 

追記(2024/03/26)

今更何を書き足すんだよって話なんですが...。

先日PinkPantheressの"Heaven knows"を聴きました。僕は、なんで去年のうちに聴いておかなかったんだろうと後悔しております。f:id:YanagiesMusic:20240326111357j:image

様々なアーティストとのコラボで知名度を一気に上げてきたPinkPantheressのファーストアルバムです。R&Bという一つのジャンルにおさまらず、エレクトロニックな要素をふんだんに使っており、とてもダンサブルなアルバムになっています。PinkPantheressの透き通る歌声もいいのですが、どの曲のビートも思わず身体が動いてしまうようなものになっており、最後までノリノリで楽しめます。NewJeansっぽさを感じる雰囲気が、どこか私たち日本人との親近感を覚えますね。

さて、このアルバムの順位についてですが...。

 

なんと驚異の5位です。

 

わかってます、高すぎって言いたいですよね。順位変わりすぎって言いたいですよね。わかってます。でも僕にとってこのアルバムはそれくらい衝撃を受けました。もし興味がありましたら是非聴いてみてください。今年のサマソニにも出演することが確定しておりますので、要チェックです。